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2010年5月30日 (日)

「アンチ・ドロップアウト」「社長・溝畑宏の天国と地獄」

一昨日夜の記憶は全くありません、財布の中を見たらお金は払っていたらしい・・・。
そんなアルコール性記憶障害者が書いているブログです、それはそれとして硬派ブログ(キリッ。
前々日、サッカー本を2冊購入したと書きましたが、本日(もう昨日か)その2冊を読みますた。

1冊は「アンチ・ドロップアウト 簡単に死なない男たちの物語」。著者の執筆の動機は「人生の分岐点を描こう。そこにアスリートのはかなさ、逞しさ、美しさがあるはず」とのことで、10人の選手をノンフィクション集です。取り上げられた選手は、財前、石川直宏、小澤、阿部祐太朗、廣山、佐藤由紀彦、金古、藤田俊哉、茂庭、李忠成。今もJ1、J2でプレーをしている選手もいますが、印象に残っているのはJFL、海外でプレーをしている、もしかすると現役サッカー選手でない方が安定して生活できるかもしれないのに現役選手であることを辞められない選手たちでした。
一番印象に残ったのは小澤選手。Jリーガーとしてほとんどを第2キーパーとして過ごし、鹿島からのオファーを受けていれば2000万円の収入が保証されていたのに、正GKとしてプレーするためパラグアイに渡ろうとするサッカー選手として本能でした。
10人が取り上げられている分だけ個々の選手のページが足りない印象ですが、仕方ないかな?

もう1冊は「社長・溝畑宏の天国と地獄 大分トリニータの15年」。こちら無茶苦茶面白いノンフィクション。地方からJを目指しているクラブ関係者、サポーターは必読の1冊ではないでしょうか?
本書の第一の魅力は、東京大学法学部卒のキャリアでありながら、雑(部屋の掃除もできない)で、下ネタ・裸になることが大好きな溝畑氏の個性にあります。自治省からたまたま出向した大分県で知事にワールドカップの開催地に名乗りを上げさせ、そのために母体のない状態からチームを作りJ1・日本一のチームを作り上げるという途方のないことを成し遂げます。
母体のないチーム(県民からの支援のないチーム)からJ1に上がるためには様々な逆境がありました。一番の逆境はスポンサー探しでした。スポンサー探しはもちろんどこのクラブも苦労するところですが、県民からの支援がないところから始まったため、県内の大口スポンサーがなかったこと、身の丈経営よりより上に上がろうとしたことから溝畑氏は県外にスポンサーを求めることになります。メインスポンサーが種々の理由で撤退しても溝畑氏のバイタリティで次のメインスポンサーを探してきましたが、ついに限界が来て大分はJリーグから公式試合安定基金の借り入れを申し込み、溝畑氏は社長を解任されるに至りました。
本書はサッカー批評」に掲載された原稿を元にその過程を丹念に取材されていると思います。だからこそ「今から思うと」と後付の視点ではなく、その時その時の著者の視点が感じられます。だからこそ本書の終わり間際の「謎とき」がリアルに感じられます。そんな点でサッカーファンでない方も面白く読むことができるノンフィクションだと思います。
「地元に愛されるチームとは」「スポンサーとはどうつきあうか」「クラブと行政のかかわり」「個性的な社長の功罪」「身の丈経営と夢を追う経営」そして特にツエーゲンサポとしては「広報の重要性」等々いろんなことを考えさせてくれる本です。
本書を面白いと思った人には、永大産業の軌跡を書いた
「駆けぬけた奇跡」も合わせて読んでもらいたいと思います。

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