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2006年12月18日 (月)

「狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて」

著者はティム・パークス、北イタリアの都市、ヴェローナに20年間在住し、エラス・ヴェローナのサポータであるイギリス人作家です。本書2000-01シーズン(ローマ[中田在籍中]がスクデットを取った年)、著者が愛するエラス・ヴェローナのセリエAのすべての試合を観戦した記録です。セリエAにヴェローナというチームがあったかと思われた方、正解です。現在はセリエBに所属しています。決して強豪といえるチームでなく、事実本書の縦糸、特に終盤はヴェローナがセリエAに残留できるか、降格してしまうかの(サポーターも含めた)瀬戸際の戦いです。
そのシーズン第一試合は、バーリでのアウェー戦でサポータとともにバスで移動しますが、私から見れば悪夢そのもののバスツァーです。床に転がる空き缶、コカインの煙、差別用語、サービスエリアでのトラブル、警官の監視、相手サポータの罵倒と襲撃。そしてこのようなツァーが(近場を除いた)すべてのアウェーで繰り広げられるのです。実はヴェローナ・サポーターはイタリアの中でも熱心なサポータで有名であると同時に、人種差別主義者としても悪名高いのです。もっとも人種差別主義者として見られているからこそ、そのイメージを意識しているところもあります。本書ではそうした一筋縄でいかないサポーターの実態が書かれています(可愛い女の子を大勢でナンパするのはイタリア人のイメージどおりw)。
著者は常にサポーターとだけ移動、接触しているわけではありません。会長やマネージャなどのフロントとも接触し、選手を売らざるを得ない状況も教えてくれます。このシーズン、ヴェローナにはジラルディーノやムトゥが在籍していました。
それだけでなくイタリアサッカー界の政治的な面も書かれています。以前紹介した「サッカーが世界を解明する」するでも一章割かれていましたが、なぜビッグクラブはいつも有利な笛を吹かれているかについても触れています。誰もが分かっていながら追求されることがなかったというのもいかにもイタリア的で、ミランの優勝が政界の大きな動きになることも含めて、サッカーだけでなくイタリアの一面を知ることも出来ます。
本書を読めば決して華やかでないイタリアサッカーを知ることができます。そしてサポーターとは、と考えさせてくれるかもしれません。

余談。実際今年になってスキャンダルが「発覚」しましたが、今年の政権交代があったからこそだとも言われているそうです。また、ヴェローナは一度だけスクデットを取った事がありますが(1984-85シーズン)、このシーズンだけは審判を完全にくじ引きで決めていて、それ以降はまた不明瞭な方法で審判を決めたそうです。
イタリアサッカーに詳しくないので、突っ込み等があればよろしくお願いします。

http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=04964

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